低カルシウム血症を引き起こす疾患での典型的な臨床検査結果

疾患

所見

特発性副甲状腺機能低下症

血清リンの高値

尿中リンの低値

血清アルカリホスファターゼ正常範囲内

検出限界未満のPTH

術後副甲状腺機能低下症

PTHの低値または正常低値

血清リン正常範囲内または高値

尿中リンの低値

血清アルカリホスファターゼ正常範囲内

遺伝性ビタミンD依存性くる病I型

PTHの高値

血清リンの低値

アルカリホスファターゼの高値

くる病のX線所見

血清25(OH)D正常範囲内

血清1,25(OH)2Dの低値

遺伝性ビタミンD依存性くる病II型

PTHの高値

血清リンの低値

アルカリホスファターゼの高値

くる病のX線所見

血清25(OH)D正常範囲内または高値

1,25(OH)2D正常範囲内または高値

Ia型偽性副甲状腺機能低下症(オルブライト遺伝性骨異栄養症)

PTHの高値

血清リンの高値

副甲状腺抽出物またはPTHの注射後にも,尿中cAMPまたはリン排泄量の増加は認められない

骨格系およびその他の異常

Ib型偽性副甲状腺機能低下症

PTHの高値

血清リンの高値

副甲状腺抽出物またはPTHの注射後にも,尿中cAMPまたはリン排泄量の増加は認められない

骨格異常はない

II型偽性副甲状腺機能低下症

PTHの高値

血清リンの高値

尿中cAMPまたはリンは認められない

PTHの注射により尿中cAMPは増加するが,尿中リンは増加しない

ビタミンD濃度正常範囲内または高値

ビタミンD欠乏症

PTHの高値

血清リンの低値

アルカリホスファターゼの高値

25(OH)Dの低値*

*血清中の25(OH)Dおよび1,25(OH)2Dの測定が,ビタミンD欠乏症をビタミンD依存状態と鑑別するのに役立つことがある。

1,25(OH)2D = 1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロールまたはカルシトリオール;25(OH)D = 不活性型ビタミンD;cAMP = サイクリックアデノシン一リン酸;PO4 = リン酸;PTH =副甲状腺ホルモン

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