インスリン以外の注射用血糖降下薬の特徴

インスリン以外の注射用血糖降下薬の特徴

一般名

1日投与量

作用持続時間

備考

グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)作動薬

アルビグルチド

30mgまたは50mg,週1回皮下投与

7日

低血糖のリスクは低い;軽度の体重増加を促す可能性がある

膵炎のリスク増大

齧歯類で甲状腺C細胞腫瘍(髄様癌)が認められている

悪心および嘔吐を最小限に抑えるため,最低用量から開始し,製造業者の推奨に従って漸増する

心血管疾患のリスクが高い患者において,主要心血管イベント(リラグルチド,セマグルチド,デュラグルチド)および心血管死亡(リラグルチド,経口セマグルチド)を減少させる可能性がある

肝臓の脂肪量および線維化,NAFLD,ならびにNASHを改善する可能性がある

セマグルチドは糖尿病網膜症の進行の増加と関連する

デュラグルチド

開始量:0.75mg,皮下,週1回;1.5mg,皮下投与,週1回まで増量可能

7日

エキセナチド

5μgまたは10μg,1日2回食前に皮下投与

4~6時間

エキセナチド,週1回

2mg,週1回皮下投与

7日

リラグルチド

開始量:0.6mg,皮下投与,1日1回,1週間;その後,1.2mg,皮下投与,1日1回に増量

24時間

リキシセナチド

開始量:10μg,皮下投与,1日1回,14日間

14日経過後,20μg,皮下投与,1日1回に増量

24時間

セマグルチド*

開始量:0.25mg,皮下投与,週1回,4週間

4週間経過後,0.5mg,皮下投与,週1回に増量

7日

アミリン誘導体

プラムリンタイド(pramlintide)

1型糖尿病の場合:30~60μg,食前に皮下投与

2型糖尿病の場合:120μg,食前に皮下投与

2~4時間

インスリンと併用するが,注射には別々の注射器を使用する

低血糖を回避するため,インスリンの用量調整が必要になる場合がある

悪心が一般的であるが,時間に伴って軽減する

軽度の体重減少を促す可能性がある

デュアルインクレチン作動薬(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド[GIP]/グルカゴン様ペプチド-1[GLP-1]受容体作動薬)

チルゼパチド

2.5~15mg,皮下投与,週1回

2.5mg,週1回,4週間から開始し,その後5mg,週1回まで増量する。血糖コントロールのため,その後も4週間毎に2.5mgずつ増量できる。

最大用量は15mg/週である。

7日

減量を促進する。

食欲減退,下痢,悪心,腹痛,アミラーゼおよびリパーゼの増加などの消化管症状を引き起こす。

症状を最小限に抑えるため,最低用量から開始し,製造業者の推奨に従って漸増する。

齧歯類で甲状腺C細胞腫瘍が認められている。

膵炎の症例が報告されている。

*経口製剤も使用可能である。詳細は経口血糖降下薬の特徴の表を参照。

*経口製剤も使用可能である。詳細は経口血糖降下薬の特徴の表を参照。

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