心身医学の一種であるバイオフィードバックでは,電子機器を用いて患者に生物学的な機能(例,心拍数,血圧,筋肉活動,皮膚温,皮膚抵抗,脳表面の電気的活動)に関する情報を提供し,患者にそれらの機能のコントロール法を頭の訓練を通して教育する。
(統合・補完・代替医療の概要も参照のこと。)
バイオフィードバックの用法
療法士の助けを借りて,または訓練によって,患者はバイオフィードバックの情報を用いて生物学的な機能を修正したり,リラックスしたりすることができ,結果的に疼痛,ストレス,不安(1),不眠,頭痛といった症状が緩和する。バイオフィードバックには多くの種類があり,その1つであるニューロフィードバックでは,脳波検査を用いて脳活動に特化したモニタリングを行い,反応を提示する。
バイオフィードバックはまた,便失禁や尿失禁,慢性腹痛,耳鳴,レイノー症候群,注意力や記憶の障害(例,注意欠如多動症,外傷性脳損傷)の治療にも用いられる。ニューロフィードバックは,認知機能のほか,注意欠如多動症(ADHD)治療に効果的であると考えられている(2)。
参考文献
1.Tolin DF, Davies CD, Moskow DM, et al: Biofeedback and neurofeedback for anxiety disorders: a quantitative and qualitative systematic review.Adv Exp Med Biol 1191:265-289, 2020.doi: 10.1007/978-981-32-9705-0_16
2.Arns M, Clark CR, Trullinger M, et al: Neurofeedback and attention-deficit/hyperactivity-disorder (ADHD) in children: rating the evidence and proposed guidelines.Appl Psychophysiol Biofeedback 45(2):39-48, 2020.doi: 10.1007/s10484-020-09455-2