尺骨および橈骨骨幹部骨折は，しばしば橈骨または尺骨への直接的な外傷により生じる。脱臼が伴う可能性がある。
（骨折の概要も参照のこと。）
橈骨および尺骨の骨折は，前腕への直接打撃（例，コンタクトスポーツ，転倒，または暴行時の防御行動）によって引き起こされることが多い。橈骨と尺骨の間の骨間膜を介して伝達される力により，脱臼が併発することがある。
パール＆ピットフォール
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橈骨骨幹部または尺骨骨幹部の単独骨折がよくみられる。
Monteggia骨折は，橈骨頭脱臼を伴う尺骨近位端骨折である。
Galeazzi骨折は，遠位橈尺関節の脱臼を伴う橈骨遠位骨幹部骨折である。
尺骨および橈骨骨幹部骨折の症状と徴候
橈骨および尺骨の骨幹部骨折は，損傷部位の疼痛，変形，斑状出血，および腫脹を引き起こす可能性がある。
尺骨および橈骨骨幹部骨折の診断
前後および側面X線
橈骨および尺骨の骨幹部骨折は，一般的に前後および側面X線により診断する。骨折が疑われる場合は，肘関節および手関節も診察し，適切な場合はX線を施行すべきである。
Monteggia骨折では，骨折が非常に明白であるために橈骨頭脱臼が見逃されやすく，尺骨近位端骨折が同定された場合には，特に橈骨頭脱臼を考慮すべきである。橈骨頭は，典型的には上腕骨小頭との正常な関節の外側に見える。Monteggia骨折では，radiocapitellar lineも正常な位置になく，脱臼が示唆される（Anterior humeral lineおよびradiocapitellar lineの図を参照）。Galeazzi骨折（Monteggia骨折と類似）では，遠位橈尺関節脱臼が橈骨遠位骨幹部骨折により見逃されやすいため，橈骨頭脱臼を特に考慮すべきである。
尺骨および橈骨骨幹部骨折の治療
橈骨および尺骨の骨幹部の単独骨折に対しては，非観血的整復および副子固定と外来での整形外科医によるフォローアップ
MonteggiaおよびGaleazzi骨折に対しては，整形外科医への緊急のコンサルテーションおよび通常は観血的整復内固定術（ORIF）
橈骨および尺骨の骨幹部の単独骨折は，その大半が非観血的整復および副子固定とその後の整形外科医への紹介により治療できる。
Monteggia骨折およびGaleazzi骨折では，整形外科医への緊急のコンサルテーションが必要であり，通常はアライメントを維持するためにORIFが必要となる。
要点
橈骨および尺骨骨折は一般的に前腕への直接的な力により生じる。
前後および側面X線を撮影する。
橈骨または尺骨の骨幹部の単独骨折では，手関節および肘関節の脱臼の併発を常に考慮する。
非観血的整復により治療し，整形外科医へのコンサルテーションを行う。
