歯牙の萌出

執筆者:Christopher P. Raab, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University
レビュー/改訂 2023年 2月
意見 同じトピックページ はこちら

    歯牙の萌出とは,乳児において歯肉から歯が生えてくる過程である。

    通常,最初の歯は生後6カ月までに生え,2歳半までに20本の乳歯が生えそろう。

    医師はしばしば親に対して,歯が萌出する前に乳児は泣いたり,むずかったり,睡眠と摂食が不良になったりすることがあると助言する。また歯牙萌出の間には,流涎や歯肉の発赤および圧痛がみられ,おもちゃやベビーベッドの柵などの物体をたびたび嚙もうとすることがある。

    表&コラム

    歯牙の萌出によって発熱が起こることはない。発熱がみられ特にむずかる小児は,歯牙の萌出によってこのような症状が起こることはないため,ウイルスまたは細菌感染症を調べる評価を受けるべきである。

    歯牙萌出中の乳児には,固いもの(例,歯固めビスケット)や冷たいもの(例,固いゴム製またはゲルを含む輪形のおしゃぶり)を嚙ませると,いくらか落ち着かせることができる。氷を使う,または使わない歯肉マッサージが有用となることがある。体重に基づく投薬量のアセトアミノフェンまたはイブプロフェンで処置することもある。

    歯固めを小児の首に下げるのは避けるべきである。

    ティーシングジェルは他の方法より効果があるわけではなく,ベンゾカインを含むものもあることから推奨されない。ベンゾカインは,まれにメトヘモグロビン血症を引き起こしうる。

    quizzes_lightbulb_red
    Test your KnowledgeTake a Quiz!
    医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら!ANDROID iOS
    医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら!ANDROID iOS
    医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら!ANDROID iOS