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進行性風疹全脳炎は,先天性風疹の小児に発生する神経疾患である。おそらくは風疹ウイルスの持続感染または再活性化により生じる。
先天性風疹は,免疫のない妊婦が妊娠中に感染した場合に,子宮内の胎児に感染が及ぶことで発生する。
先天性風疹症候群(例,難聴,白内障,小頭症,知的障害などを伴う)の小児の一部では,青年期早期に神経脱落症状が発生する。
進行性風疹全脳炎の診断
髄液検査および血清学的検査
CT
ときに脳生検
進行性風疹全脳炎の診断が考慮されるのは,先天性風疹の小児に進行性の痙縮,運動失調,精神衰退,および痙攣発作がみられたときである。
検査としては,少なくとも髄液検査と血清学的検査を行う。髄液中の総タンパク質およびグロブリンの増加と髄液中および血清中の風疹抗体価の上昇がみられる。
CTでは,小脳萎縮および白質疾患による脳室拡大を認めることがある。
脳炎または脳症の他の原因を除外するために脳生検が必要になることがある。
風疹ウイルスは通常,ウイルス培養や免疫組織学的検査では検出できない。
進行性風疹全脳炎の治療
症状の管理
進行性風疹全脳炎に特異的な治療法はない。
状況に応じて症状(例,痙攣発作,筋痙縮,筋力低下)を管理する。
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