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口囲皮膚炎は,丘疹膿疱性の発疹を主体とする顔面の紅斑性皮疹で,ざ瘡や酒さに類似するが,典型例では口の周辺から始まる。診断は病変の外観による。治療法としては,原因の回避や抗菌薬の外用のほか,ときに抗菌薬の内服などがある。
口囲皮膚炎
Photo courtesy of Shahbaz Janjua, MD.
口囲皮膚炎については,外用コルチコステロイドや水および歯磨剤に含まれるフッ素に対する曝露をはじめとして,様々な原因が提唱されているが,口囲皮膚炎の病因は依然として不明である。その名称に反して,口囲皮膚炎は真の皮膚炎ではない。主に妊娠可能年齢の女性と小児が罹患する。典型例では,発疹は鼻唇溝から始まり,口周囲に拡大するが,赤唇縁の周囲は侵されない。ただし,眼周囲および前額部にまで拡大することもある。
口囲皮膚炎の診断
口囲皮膚炎の治療
フッ素を含有する歯科製品および外用コルチコステロイドの使用を控える
抗菌薬の外用またはときに内服
口囲皮膚炎の治療は,フッ素を含有する歯科製品および外用コルチコステロイド(使用している場合)の使用を中止し,続いて抗菌薬を外用する(例,エリスロマイシン2%またはメトロニダゾール0.75%ゲルまたはクリームを1日2回)。反応がみられない場合は,ドキシサイクリンもしくはミノサイクリン(50~100mg,経口,1日2回)またはテトラサイクリン(250~500mg,経口,1日2回,食間)を4週間投与した後,最小有効量まで漸減する。
ざ瘡とは対照的に,抗菌薬は通常中止できる。ピメクロリムスの外用(2歳以上が対象)も重症度を低下させる。肉芽腫性の口囲皮膚炎の治療には,イソトレチノインも使用され,成功を収めている。
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