縮小条虫(Hymenolepis diminuta)感染症

執筆者:Chelsea Marie, PhD, University of Virginia;
William A. Petri, Jr, MD, PhD, University of Virginia School of Medicine
レビュー/改訂 2021年 12月
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縮小条虫(Hymenolepis diminuta)は,ヒトに腸管感染症を引き起こす条虫である。

縮小条虫(H. diminuta)はネズミに寄生する条虫で,小形条虫(Hymenolepis nanaの間接的サイクルと同様の生活環を有し,その生活環には貯穀害虫が関わる。縮小条虫(H. diminuta)の体長は20~60 cmである。ヒトの感染症は通常無症状であるが,軽度の消化管症状を引き起こすことがある。

診断は便中での特徴的な虫卵の検出による。

縮小条虫(Hymenolepis diminuta)感染症の治療

  • プラジカンテル

  • あるいは,ニタゾキサニド(nitazoxanide)または(米国外では)ニクロサミド(niclosamide)

縮小条虫(H. diminuta)感染症は,以下により効果的に治療される:

  • プラジカンテル25mg/kg,経口,単回投与

代替薬として,ニタゾキサニド(nitazoxanide)やニクロサミド(niclosamide)(米国では入手不能)などがある。

ニタゾキサニド(nitazoxanide)を使用する場合,用量は以下の通りである:

  • 11歳以上の患者:500mg,経口,1日2回を3日間

  • 4歳以上11歳未満の小児:200mg,経口,1日2回を3日間

  • 1歳以上4歳未満の小児:100mg,経口,1日2回を3日間

ニクロサミド(niclosamide)を使用する場合,用量は以下の通りである:

  • 成人:2g,経口,1日1回を7日間

  • 体重が34kgを超える小児:1日目は1.5gの単回投与,その後は1g,1日1回を6日間

  • 体重が11~34kgの小児:1日目は1gの単回投与,その後は500mg,1日1回を6日間

治癒を確認するため,治療完了後1カ月時点で便検体を再度採取すべきである。

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