縦隔気腫

執筆者:Najib M Rahman, BMBCh MA (oxon) DPhil, University of Oxford
レビュー/改訂 2023年 8月
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縦隔気腫は縦隔内の空気である。

縦隔気腫の主な原因は以下の通りである:

  • 肺胞破裂により肺間質へ侵入した空気の縦隔への移動

  • 食道穿孔

  • 食道または腸管破裂による頸部または腹部から縦隔への空気の侵入

縦隔構造の圧迫を伴う緊張性縦隔気腫はまれである。

主な症状は胸骨下の胸痛で,ときに重度となることもある。

身体診察では通常,胸骨切痕部に皮下気腫がみられ,心拍に同期するバリバリ音ないし捻髪音が聴取される;この雑音は左側臥位時に心臓の上で最もよく聴取される(Hamman徴候)。

縦隔気腫
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縦隔および頸部の軟部組織における空気に注目する。
By permission of the publisher. From Berman L.In Atlas of Anesthesia: Critical Care.Edited by R Miller (series editor) and RR Kirby. Philadelphia, Current Medicine, 1997.

胸部X線(縦隔内の空気を示す)により診断を確定する。

入院と治療が必要である食道穿孔を除外するために,縦隔気腫の原因を同定する必要がある。

パール&ピットフォール

  • 縦隔気腫は,診察および/またはX線上で劇的な所見を示し,重篤な疾患を示唆することがあるが,縦隔気腫自体は通常治療を必要としない。

縦隔気腫の治療

  • 通常は不要

治療は通常必要ないが,縦隔構造の圧迫を伴う緊張性縦隔気腫は穿刺吸引で軽減することができ,緊張性気胸で行うように針を外気に開放させておく。

入院は,縦隔気腫が食道または腸管の破裂に続発するものであれば必要であるが,肺胞破裂に続発するものであれば不要である。

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