筋肉

執筆者:Alexandra Villa-Forte, MD, MPH, Cleveland Clinic
レビュー/改訂 2022年 4月
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やさしくわかる病気事典

    筋肉には次の3つの種類があります。

    • 骨格筋

    • 平滑筋

    • 心筋

    このうち骨格筋と平滑筋は、筋骨格系の一部です。

    骨格筋とは、ほとんどの人が筋肉と聞いて思い浮かべる、収縮させて体の様々な部分を動かすことができる筋肉のことです。骨格筋は、収縮性のある筋線維の束が規則正しく配列したもので、顕微鏡で観察すると横縞模様が見えることから、横紋筋とも呼ばれます。骨格筋の収縮する速度は様々です。

    姿勢や動きに関与する骨格筋は骨に接着しており、関節周囲では互いに拮抗する筋肉群が配置されています。例えば、肘を曲げる筋肉(上腕二頭筋)は、肘を伸ばす筋肉(上腕三頭筋)と拮抗関係にあります。このような逆方向の動きはバランスがとれています。バランスがとれていることで、動きが滑らかになり、筋骨格系の損傷を防ぐのに役立っています。

    骨格筋は、脳によってコントロールされる筋肉で、本人の意思で動かせることから、随意筋とも呼ばれます。骨格筋の大きさと筋力は、定期的な運動によって維持され、増強されます。さらに、成長ホルモンとテストステロンが小児期には筋肉の成長を促し、成人になってからも筋肉の大きさを維持する働きをします。

    平滑筋は、人が意識的に制御することのできない体の特定の機能をコントロールしています。平滑筋は多くの動脈を取り囲むように存在し、収縮することで血流の量を調節しています。また、腸の周囲も平滑筋が取り囲んでいて、収縮することで消化管の中で食物や便を移動させています。

    平滑筋も脳によってコントロールされていますが、自分の意思で動かすことはできません。平滑筋が収縮したり、弛緩したりするきっかけは、体の要求によってコントロールされていて、本人の意識とは無関係に動くことから、平滑筋は不随意筋とも呼ばれています。

    心筋は、心臓を形づくっている筋肉で、筋骨格系の一部ではありません。心筋は骨格筋と同様に、筋線維が規則正しく配列していて、顕微鏡で観察すると横縞模様が見えます。しかし、心筋は本人が意識することなく、一定のリズムで収縮と弛緩を繰り返します。

    筋骨格系

    筋骨格系を構成する筋肉とその他の組織

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