心身医学の一種である瞑想では,集中力を調整したり,内的または外的経験の特定の側面に系統的に意識を集中させたりする。瞑想の中で最も研究が進んでいるものは,超越瞑想と気づきの瞑想である。これまでの結果は,瞑想が少なくとも2種類の機序によって作用することを示唆している:
繰り返しストレスに曝されることにより生じる神経ホルモン経路の過剰な活性に対抗するリラックス状態を生み出すこと
メタ認知的自覚(意識内容を少し離れたところから見る能力)を培うことで,理論的には患者が自動的にストレスに反応しないよう助け(高度に条件付けられた,学習による行動パターンによる),精神的苦痛によりよく耐えたり,制御したりするよう助けること
瞑想療法の多くは,宗教的またはスピリチュアルな背景で生まれたものであり,ある種の精神的成長,自己改革,超越体験を究極の目標としている。しかし,医療的介入としての瞑想は,しばしば個人の文化的,スピリチュアルまたは宗教的背景とは関係なく有益であることが研究によって示唆されている。
(統合・補完・代替医療の概要も参照のこと。)
瞑想の用法
参考文献
1.Hilton L, Hempel S, Ewing BA, et al: Mindfulness meditation for chronic pain: Systematic review and meta-analysis.Ann Behav Med 51(2):199-213, 2017.doi: 10.1007/s12160-016-9844-2
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